鮭の子漫画

惰性の漫画と日記を書くの

元号を決める会議に出席してきたよ

 なぜ令和も3年になったこの時期にこの話題を書くかといえば、時期を見計らっていたからだ。決して、明日やろうが二年続いた怠け者だからではなく、元号会議の機密性なんてコロナ騒動によって、元官房長官も現総理も菅さんも、誰も気にしなくなっているはずだ。

 さて、元号会議についてだが、その会で話されたことは門外不出が暗黙であり絶対の掟であり、犯したものは簡単に首をはねられる。ナスのヘタを切るよりも簡単に首をはねられる。

 というわけで前置きしておくが、元号会議に出席してきたのは僕ではなく、友人の佐藤くんだ。ありふれた苗字だからといって、偽名を疑わないでいただきたい。

 佐藤くん曰く、元号会議ではまず「ハトという言葉を入れる」という前提から始まったそうだ。誰とは言えないが、その場にいる1番権力のある者が言ったそうだ。

 どうやら、本人が8/10生まれだから語呂合わせで「ハト」と入れたかったそうだ。その権力ある者はいつだって、ハトというワードを愛用してきたそうだ。パスワードに使うならまだしも、元号という概念に自分の痕跡を残そうとするなんて、権力の行き着く先は怖い。

 しかしその場の、1番ファッショナブルな者が口を開いた。

「ハトは語感が悪い。平和の象徴ではあるが、首を前後させるあたり滑稽だ」

 権力者に向かって、語感が悪いと言い放つあたりに才気を感じる。髪型はきっと、テクノカットかマッシュだろう。

「だから、8/10を逆から並べて018。レイワという音にしましょう」

 ファッショナブルな者がすぐに出した代替案に、1番の権力者もご満悦だった。一癖ある暗号感が気に入ったのだろう。自作の象形文字を作ろうとする子供と一緒だ。祀ってやるから今すぐ棺に入ってもらいたい。

 音が決まったため、どの漢字をあてがうかが議論されることになる。実に恐ろしい。意味ではなく、音から選ぶわけなのだ。深い意味、伏線、ダブルミーミング、そういったことが崇高とされ、むしろ重んじられないやつはカスと罵られるこの世の中で、音から決めるのだ。まさに愚の骨頂と呼ばれがちな手法だ。

 でも、仕方がない。1番偉い人が「8/10を使いたい」と言い出したんだもの。会社員であるならば、頷くことしかできない空気感を想像するのは容易い。なんならハトを入れることが決まりかけていたこの状況下で、レイワに導いただけファインプレーだ。「鳩歩」と書いてハトポに決まり、平和とともに歩むなんて後付けの意味を聞かされることを避けられただけで紫綬褒章を頂きたいくらいだ。

 さて、右葉曲折あって漢字が令和に決まったわけだが、誰がどう考えたって違和感のある箇所がある。「和」だ。前々回の「昭和」とだだ被りだ。だめなルールはないが、なんとなく気持ち悪さを覚える人は多い。少なくとも僕は、バナナが輪切りになってサーブされたときに匹敵する気持ちの悪さを感じた。

 なぜ「和」が使われたといえば、明らかに「ワ」と発音する漢字がほかになかったからだ。ただ、それだけだ。

「話」「輪」「羽」

 いずれもワと読めるが、こいつらは「ハナシ」「リン」「ハネ」の読み方の印象が前面にでている。前面に出るのは久保建英フォワードに出すパスだけで十分だ。元官房長官の主張が前面に出てきているだけで、既にこっちは辟易している。

 すんなりワと読ませられるのは、「和」しかおらずこの結果となった。

 申し訳ない、と元号会議の後に佐藤くんは僕に謝った。謝られる意味は分からないが、責任感をそれほどに感じられるからこそ、佐藤くんは令和会議に招集されたわけだ。

 元号発表の前だというのに、佐藤くんは盛大に愚痴を漏らしていた。場所は鳥貴族だった。他にも、宮華、奈陽、杜邑など、候補はあったそうだが、全て陳腐な意味づけだった。昔好きだった人と今好きな人の漢字を組み合わせた とかなんとかそんな名付け方だった。

 国家機密である名称を鳥貴族でぶちまけていいのかと僕は焦っていたが、僕自身、酒のおかげで記憶はあやふやだ。隣で聞き耳を立てていた客も、記憶はなくなっていることだろう。MIBのウィルスミスもびっくりだ。

 ともあれ、鳥貴族とはそういう場所なのだ。どの客も記憶を飛ばせる、貴族だろうが鳥のように記憶を飛翔させることができる、素敵な場所。鳥貴族。

 そんな彼とは最近連絡がつかないが、たぶん忙しくしているのだろう。

 

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おわりっ